SWIMでノータムを調べる3つの方法——公式クイックリファレンスがよくできている
AIS JAPANが終わり、航空情報の入口はSWIM portalに変わりました。ブックマークは差し替えた。ログインもした。で、ノータムはどこで見るのか。
調べたら、ちゃんとまとまった資料がありました。しかも一つではありません。
結論——「小型機ユーザー向けクイックリファレンス」 #
これです。
小型機ユーザー向けクイックリファレンス(PDF・18ページ)(Ver.3/2026年5月28日)
冒頭に、こう書かれています。手軽に持ち運びでき、いつでも、どこでも、すばやく参照できることを目的として作成した、と。
実際そのとおりの作りで、全ページが画面のスクリーンショット+番号付きの手順です。アカウント登録から始まって、ノータム、気象情報、フライトプランまで通しで載っています。
| 頁 | 内容 |
|---|---|
| 2 | SWIMトップページ(入口)・はじめての方へ |
| 3 | アカウント登録 |
| 4 | 利用開始手順(サービスごとの申請) |
| 5-6 | サービス一覧・利用サービス一覧の画面イメージ |
| 7 | ノータム:デジタルノータムリクエストサービス |
| 8 | ノータム:空港プロファイルサービス |
| 9 | ノータム:空域プロファイルサービス |
| 10-11 | 気象情報(空港/空域プロファイル) |
| 12-13 | PKG(パッケージ)抽出 |
| 14-16 | フライトプランの登録・修正・変更・取消・発着入力 |
| 17 | 付録1:国際ノータムシリーズ(A〜の地点略号対応) |
| 18 | 付録2:ドキュメント・リファレンスの掲載場所 |
ノータムの調べ方は3通りある #
ここが一番の発見でした。SWIMでは、ノータムを見る道が3つ用意されています。用途が違います。
① デジタルノータムリクエストサービス——検索する #
いちばん素直な、検索型です。
検索条件を入力して「検索」を押すと、下部に結果が出ます。テーブル形式とリスト形式の両方。グラフィック対象のノータム(RWY CLSDなど)は図が表示され、対象外のものは「グラフィックなし」と表示されます。
AIS JAPANでノータムを引いていた感覚に、いちばん近いのはこれだと思います。
② 空港プロファイルサービス——空港で見る #
空港単位で見るならこちら。
空港を選んで「表示」、抽出対象期間を指定して、「空港詳細アイコン」から「航空情報」タブを開くとノータムが出ます。非グラフィックのものは別アイコンで表示。
同じ画面の「気象情報」タブでは、ATIS・METAR/SPECI・TAF・飛行場警報(いずれも対象空港のみ)が見られます。ノータムと気象が一つの画面に並ぶのが、このサービスの利点でしょう。
③ 空域プロファイルサービス——地図で見る #
地図型です。
レイヤリストから表示したいノータムを選ぶと、地図上に出ます。滑走路閉鎖や無人航空機といった種類ごとに選べて、表示されたノータムをクリックすると内容が読める。
「どこで何が起きているか」を面で把握したいときは、これがいちばん早いはずです。
本命はPKG抽出だと思う #
そして、クイックリファレンスの12〜13ページ。PKG(パッケージ)抽出という機能があります。
抽出条件は4種類。
- 飛行計画型
- 空港型
- ルート型
- エリア型
このうちルート型が、実務ではいちばん効くのではないでしょうか。資料の説明はこうです。
抽出期間と高度(下限/上限)を入れ、地図上に経路を描く。すると、その線の片側5NM以内のノータムと気象情報がまとめて抽出されます。
経路に関係するものだけが出てくる。空港ごとに引いて、途中の空域を別途確認して……という作業が一発になります。虫眼鏡マークの付いたノータムは、クリックすると地図上の影響範囲にズームインするとのことです。
ヘリの飛び方だと空港と空港の間を結ぶとは限りませんが、任意の線を引けるなら、場外から場外の経路でもそのまま使えるはずです。
ノータムを見るだけなら、審査は要らない #
もう一つ、はっきりしたことがあります。
JAPAのSWIM第4弾に、Webサービス別の利用審査の要否の一覧が載っていました。
| サービス | 審査 | 対象者 |
|---|---|---|
| デジタルノータムリクエスト | なし | 限定なし |
| AIP閲覧/AIPファイルダウンロード | なし | 限定なし |
| ATIS情報リクエスト | なし | 限定なし |
| 空域プロファイル | なし | 限定なし |
| 空港プロファイル | あり | 航空機運航者等 |
| フライトプラン登録 | あり | 航空機運航者等 |
| スロットリクエスト | あり | 航空機運航者等 |
ノータムを検索する(①)のも、地図で見る(③)のも、審査なしで使えます。アカウントさえ作れば、対象者の限定もありません。
審査が要るのは、空港プロファイル・フライトプラン登録・スロットリクエストの3つ。「航空機運航者等」=航空運送事業者、航空機使用事業者、個人運航者等とされています。
つまりまず触ってみる分には、ハードルは低いということです。
図が出るノータム、出ないノータム #
「グラフィック対象」という言葉が何度か出てきますが、これも整理した資料があります。
SWIMによる情報サービス別 航空情報のグラフィック表示について(補足資料・8ページ)
どのノータムが図で表示され、どれが文字のままなのかを整理したものです。SWIMの売りは「テキストからデジタルデータへ」ですが、現時点では全部が図になるわけではありません。何が図にならないかを先に知っておくほうが、実務では安全でしょう。
資料の一覧 #
SWIM関係は、JAPAのビジネス航空委員会が第1弾から順に出しています。
| 号 | 日付 | 内容 |
|---|---|---|
| 2024-016 | 2024.11.20 | SWIMの導入について(第1弾) |
| 2025-014 | 2026.1.30 | 第2弾 |
| 2026-004 | 2026.6.1 | 第3弾——クイックリファレンス類のリンク集 |
| 2026-006 | 2026.7.14 | 第4弾——サービス別の審査要否一覧 |
第3弾から辿れるものが、実質的な本体です。
- 小型機ユーザー向けクイックリファレンス(ノータム・気象・フライトプラン)
- 航空情報のグラフィック表示について(補足資料)
- クイックリファレンス フライトプラン登録サービス編
- フライトプラン入力のヒント(JAPA作成)
- フライトプラン登録サービスに係る質問と回答(JAPA作成)
最後のQ&Aは細かいですが実践的で、「10項Navigationに R を入力するとエラーになる」といった、実際に詰まった箇所が拾われています。
一次資料はSWIM portalの中にある #
なお、これらはあくまで入口の整理です。正式なドキュメントはSWIM portalの中に置かれています。クイックリファレンスの付録2に、場所の説明があります。
- SWIM全般:「サービス」→「WEBサービス」→「その他」→SWIM管理サービス→「ドキュメント」/「リファレンス」(SWIM運用規程など)
- 各サービス:対象サービスの「サービス詳細」→「ドキュメント」(情報サービス概要、サービス説明書、ユーザーズガイド)
先日の飛行計画の要領改正でも、通報手続きの確認先は「SWIMサービスの情報サービス提供者に確認すること」と書かれていました。最終的にはここに戻ります。
そしてSATサービスの終了は、2026年9月30日17時です。第3弾に時刻まで明記されていました。
ヘリ乗りとして #
正直なところ、移行のたびに操作を覚え直すのは面倒です。
ただ、今回資料を追ってみて思ったのは、「まとまっていない」と思っていたものが、実はまとまっていたということでした。18ページのクイックリファレンスは、印刷して1部持っておくだけで足りる密度があります。Ver.3まで改訂されているのも、作っている側が使われ方を見ている証拠でしょう。
最後に、使ってみての実感を書いておきます。SATサービスのPIBのほうが楽でした。
経路や空港を指定して、必要な情報をまとめて出す——という発想自体は、PKG抽出も同じです。位置づけとしては、その後継にあたるのだと思います。それでも、一回分のブリーフィングを済ませるという一点では、PIBのほうが早かったというのが正直なところです。
もっとも、そのSATサービスももうすぐ終わります(2026年9月30日17時)。ここは慣れるしかない部分でしょう。
補足:自分でもNOTAM地図を作っています #
同じSWIMのデータを使って、NOTAMを地図に重ねて見られるものを公開しています。
下端高度FL120以下かつその日に実際にアクティブなものだけに絞って表示し、多角形で囲んだ範囲のNOTAMをブリーフィング用にPDF出力できます。METARと雨雲の重ね表示にも対応しています。
もちろん公式の代わりにはなりませんが、当たりを付けるのには使えると思います。詳しくはこちらの記事に書きました。
まとめ #
- SWIMでのノータムの調べ方は、小型機ユーザー向けクイックリファレンス(18ページ・Ver.3/2026年5月28日)に画面付きでまとまっている。
- ノータムを見る道は3通り。①デジタルノータムリクエスト(検索型)②空港プロファイル(空港単位・気象も同画面)③空域プロファイル(地図型・レイヤ選択)。
- PKG抽出は飛行計画型/空港型/ルート型/エリア型の4種。ルート型は描いた経路の片側5NM以内のノータムと気象をまとめて抽出できる。
- ノータムを見るだけなら利用審査は不要。デジタルノータムリクエスト・AIP閲覧・AIPファイルDL・ATIS情報リクエスト・空域プロファイルは対象者の限定もなし。
- 審査が要るのは空港プロファイル・フライトプラン登録・スロットリクエストの3つ(航空機運航者等)。
- 全ノータムが図になるわけではない。グラフィック表示の補足資料に整理がある。
- 資料の入口はJAPAビジネス航空委員会のSWIMシリーズ第1〜4弾。第3弾がリンク集として機能している。
- 正式なドキュメントはSWIM portal内(各サービス→「ドキュメント」に情報サービス概要・サービス説明書・ユーザーズガイド)。
- SATサービスの終了は2026年9月30日17時。
- 使ってみての実感としては、SATサービスのPIBのほうが楽だった。PKG抽出は位置づけとしてその後継にあたる。
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本記事は、国土交通省航空局および公益社団法人日本航空機操縦士協会(JAPA)が公開した資料に基づき、内容を紹介したものです。本文に記載した操作手順は、クイックリファレンス(Ver.3)の記述に沿っています。画面や手順は改訂され得るため、最新の情報はSWIM portalおよび各サービスのドキュメントをご確認ください。
ヒーロー画像はイメージです(東京国際空港の管制塔)。“Tokyo International Airport Control Tower” by やねまか / Wikimedia Commons / CC0(本記事への掲載にあたりトリミング・リサイズを行いました)
出典
- 「小型機ユーザー向けクイックリファレンス」Ver.3(2026年5月28日)ほか、SWIM portal掲載の各リファレンス
- 公益社団法人日本航空機操縦士協会 ビジネス航空委員会「JAPA E-Journal 2026-004 SWIM情報(第3弾)」(2026年6月1日)/「同 2026-006 SWIMの導入について第4弾」(2026年7月14日)
- SWIM portal
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