#IFR
15 件の記事
-
IFRで通信機が故障したら——7600の次に、経路・高度・降下開始時刻をどう決めるか
応答がない。周波数を変えても、待っても返ってこない。IFRで通信機が故障したときの手順は、航空法施行規則206条に条文として書かれています。VMCなら降りる、IMCなら経路・高度・速度・降下開始時刻。そして国内で実際に効いてくる「7分」という数字まで、条文とAIM-Jで整理します。
-
LOI、APPROACH DOWNGRADE、ABORT APPROACH——完全性が足りないとき、GTNは何を表示するか
保護レベルが警報限界を超えると警報が出る、と条文は書きます。ではコックピットには実際に何が出るのか。Garminの操作マニュアルとFAA承認のAFMSから、GPSステータスのLOI、飛行フェーズの黄色表示、LPVからLNAVへのダウングレード、そしてABORT APPROACHまで、実際の文言と処置を並べます。
-
RAIMとは何か——衛星の異常が直るまで最大2時間、その空白を埋める仕組み
GPS航法の話に必ず出てくるRAIM(Receiver Autonomous Integrity Monitoring=受信機による完全性の自律的監視)。位置の「精度」ではなく「完全性」を見張る機能で、5個の衛星(または4個+気圧高度)が要ります。なぜ受信機が自分で監視しなければならないのか、FDEとの違い、警報が出たら何をするのか、そしてスプーフィングには半分しか効かないという限界まで整理します。
-
LVPとLVPDとは何か——「上がれるが、戻れない」という日本独自の体制
2022年2月24日、管制方式基準からSSP体制という日本独自の用語が消え、LVPとLVPDが定義されました。LVPはカテゴリーII/III運航と低視程離陸の両方、LVPDは離陸だけ。羽田RWY16Lや新千歳RWY01Lで「灯火は揃っているのに離陸できない」という問題を解くために生まれた仕組みを、条文と改正資料から整理します。
-
AC 20-138Dを読む——日本の基準が一行で参照している261ページに、ヘリ専用の章があった
サーキュラー5-005が「AC20-138(その後の改訂版を含む。)に従って装備されたもの」と一行で参照しているFAAのアドバイザリー・サーキュラー。開いてみると全23章+附録10本の261ページで、回転翼機専用のRNP 0.3、VFR専用装備の標識、「TSOAは装備を保証しない」という宣言、そして日本の「5分」と同じ数字が入っていました。
-
IFRでGPSを使う基準(5-005)——RAIMが5分途切れると予測されたら、飛行を中止する
計器飛行方式でGPSを使う基準は、サーキュラー5-005として全10ページ・11章にわたって定められています(現行版は令和7年3月13日最終改正)。装置のクラス指定、SBAS補強の有無による分岐、RAIMが5分を超えて失われると予測されたときの3つの選択肢、そして「GPS以外の進入方式が実施可能であること」という条件まで。VFR側の5-006と並べながら、条文に沿って整理します。
-
RNAV航行の許可はどう取るのか——5-017の附属書10本と、最終進入でFTE 0.15NMという目標
装置を積んで飛行規程に載せても、それだけではRNAV航行はできません。航空法83条の2に基づく許可の中身を定めているのがサーキュラー5-017。有効期間2年、不具合は3日以内、実施要領には何を書くか。そして種類ごとに「どのACに適合していればよいか」。そして附属書5 RNP APCHの運用手順には、座標の手動入力禁止からFTE 0.15NMまでが具体的に並んでいます。
-
TSO-C146とは何か——GPSに「SBAS」を足すと、何ができるようになるのか
GTN 750などが取得しているTSO-C146。GPS単独のTSO-C129と何が違い、Class GammaとDeltaは何を分け、日本ではどこまで使えるのか。SBASの仕組み、LPV進入、そして2022年に日本で始まったLPVまで、根拠資料に沿って通しで整理します。
-
着陸最低気象条件を読み解く——DA/MDA・RVR・CMVと、「暫定」と「飛行方式設定基準」の違い
着陸の最低気象条件(Landing Minima)は、DA/MDA(判断・最低降下高度)+必要視程(RVR/CMV)+規定の視認目標、の3点セット。精密進入と非精密進入・周回進入で構造が変わり、旧来の暫定基準と2006年からの飛行方式設定基準でも値が動く。CMV倍率やOCA/OCHまで、離陸編に続いて実務目線で整理する。CAT II/IIIは扱わない。
-
離陸最低気象条件を読み解く——「暫定基準」と「飛行方式設定基準」は何が違うのか
離陸の最低気象条件(Take-off Minima)は「離陸できるか」ではなく「直後に何かあったとき戻って降りられるか」で決まる。AIP原文(AD 1.1.6.9.2.1/AD 1.1.6.10.1.3 3))に沿って、多発機+離陸代替なら灯火で決まる値(400m/500m)、そうでなければ利用できる進入方式で決まる値、そして「進入方式の値が低くても離陸ミニマを下回ってはならない」という下限規定までを整理する。
-
視認進入と目視進入は何が違う?——IFRの「見て降りる」2つの進入を整理する(日本版)
IFRで飛んでいる機が計器進入を省いて“見て降りる”方法に、視認進入(Visual Approach)と目視進入(Contact Approach)がある。名前も中身も紛らわしいこの2つは、①誰が言い出せるか、②必要な天候、が決定的に違う。直感に反して「目視進入」のほうが悪天候でも使える理由を、日本の管制方式基準をもとに現役パイロットが整理する。
-
RVR(滑走路視距離)とは——METARとATISでの「報じられ方」を読み解く
低視程での離着陸を左右するRVR(滑走路視距離)。前方散乱計や透過率計でどう測り、なぜ地上視程より優先されるのか。そして実務で一番わからないのが「表記」だ。METARのR28/0600U、M/Pの意味、V(変動)、フィート表記、ATISでの読み上げまで、現役パイロットが具体例で解説する。
-
「グライドパス停止線」とは何か——ILSの電波を守る誘導路の停止線と、令和6年の運用見直し
滑走路脇のグライドスロープ空中線の近くには、地上を走る航空機を止めるための「グライドパス停止線(GP停止線)」があります。なぜ地上の機体がILSの電波を乱すのか、その仕組みと、令和6年4月1日に見直された運用(管制官判断への一本化・専用用語の廃止)を、現役ヘリパイロット視点で整理します。
-
D-ATISとは——音声ATISからデジタルATISへ、コックピットに「気象と滑走路」を届ける仕組み
D-ATIS(Digital ATIS)は、空港の運用情報(気象・使用滑走路・NOTAM等)を音声ではなくデジタルテキストでコックピットに直接届けるサービスです。従来のVoice ATISとの違い、ACARS/VDL Mode 2の配信方式、コンテンツの中身、識別子(INFO ALFA等)の意味、メリット・限界・日本での状況を整理しました。
-
IFR運航でやりがちなオートパイロット5つのミス——G1000で学ぶ「ヘディング・高度・APR」の正しい使い方
IFRチェックライドで「オートパイロットを使う?手動で飛ぶ?」——答えはどちらも。本記事では、Garmin G1000 NXi をベースに、ヘディングバグの追従/高度キャプチャ/APRアーミングなど、計器飛行でやりがちな5つのオートパイロット・ミスと、その回避法を整理します。