#航空安全
34 件の記事
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アイドルにしたのに、燃料は減っていなかった——EC135の機内火災事故と、Vertical誌の良記事
Vertical Magazineが、2023年8月のEC135 T1機内火災事故(フロリダ州ポンパノビーチ)をNTSB報告書から読み解いた記事を出しました。FADEC故障で出力操作が効かない状態、警報が出なかったこと、消火系統が届かない場所での火災。日本の現場にも持ち帰れる論点が多いので、紹介します。
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「RJDR」では出てこない——SWIMで無人航空機のノータムを探す方法
デジタルノータムリクエストサービスで無人機のノータムを探そうとして「検索結果がありません」になった人へ。国内形式のロケーションや国内ノータム番号では引けません。FIRはRJJJ、シリーズはU、飛行場分まで含めるならノータムコードWU。日時はUTC。AIS Review第193号のQ&Aをもとに、検索条件と表示の使い分けを整理しました。
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シドニーで1か月に6件。日本の管制官の疲労管理は、いまどこにいるのか
シドニー空港で管制官の欠員と過重労働が報じられ、1か月に6件のニアミスが調査対象になっています。では日本はどうか。調べると、羽田の衝突事故をきっかけに「航空管制官の疲労管理の高度化に関する有識者検討会」が立ち上がり、中間とりまとめが出ていました。そこに書かれた課題は「属人性」と「管理職の手作業」です。
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経験のない型式に乗るとき、教育訓練は要るのか——国空航第1055号と、回転翼の型式限定一覧
技能証明も限定も持っている。そのうえで乗ったことのない型式に乗る。このとき学科20時間・実技10時間の教育訓練が要るのか。回転翼の判定は「その型式の経験があるか」の一点です。前提となる「そもそも型式限定が付く機体か」の見分け方と、EC135のように同じ名前でエンジンが違う場合の考え方まで、通達の原文で整理します。
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IFRで通信機が故障したら——7600の次に、経路・高度・降下開始時刻をどう決めるか
応答がない。周波数を変えても、待っても返ってこない。IFRで通信機が故障したときの手順は、航空法施行規則206条に条文として書かれています。VMCなら降りる、IMCなら経路・高度・速度・降下開始時刻。そして国内で実際に効いてくる「7分」という数字まで、条文とAIM-Jで整理します。
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LOI、APPROACH DOWNGRADE、ABORT APPROACH——完全性が足りないとき、GTNは何を表示するか
保護レベルが警報限界を超えると警報が出る、と条文は書きます。ではコックピットには実際に何が出るのか。Garminの操作マニュアルとFAA承認のAFMSから、GPSステータスのLOI、飛行フェーズの黄色表示、LPVからLNAVへのダウングレード、そしてABORT APPROACHまで、実際の文言と処置を並べます。
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対空センターとは何か——AFISとAEIS、そして「〇〇 RADIO C」の意味
運航情報官がいない空港でも、無線を入れれば応答があります。その声はどこから来るのか。国土交通省のリーフレットから、対空センターの位置づけ、AFISとAEISの違い、担当空港、そして通信機能を失ったときに呼出符号へ一文字足される仕組みまで整理します。
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RAIMとは何か——衛星の異常が直るまで最大2時間、その空白を埋める仕組み
GPS航法の話に必ず出てくるRAIM(Receiver Autonomous Integrity Monitoring=受信機による完全性の自律的監視)。位置の「精度」ではなく「完全性」を見張る機能で、5個の衛星(または4個+気圧高度)が要ります。なぜ受信機が自分で監視しなければならないのか、FDEとの違い、警報が出たら何をするのか、そしてスプーフィングには半分しか効かないという限界まで整理します。
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そのMETARは誰がどう測っているのか——AIMOSと、完全自動化46空港のいま
ATISで聞くRVRも、ブリーフィングで見るMETARも、出どころは気象庁のAIMOS(航空統合気象観測システム)です。2026年3月18日現在、46空港で航空気象観測の完全自動化が実施されています。視程はMOR、雲はシーロメーター、雷はLIDEN。そして「山裾に留まっている雲は観測できない」という限界まで、公式資料に沿って整理します。
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AC 20-138Dを読む——日本の基準が一行で参照している261ページに、ヘリ専用の章があった
サーキュラー5-005が「AC20-138(その後の改訂版を含む。)に従って装備されたもの」と一行で参照しているFAAのアドバイザリー・サーキュラー。開いてみると全23章+附録10本の261ページで、回転翼機専用のRNP 0.3、VFR専用装備の標識、「TSOAは装備を保証しない」という宣言、そして日本の「5分」と同じ数字が入っていました。
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IFRでGPSを使う基準(5-005)——RAIMが5分途切れると予測されたら、飛行を中止する
計器飛行方式でGPSを使う基準は、サーキュラー5-005として全10ページ・11章にわたって定められています(現行版は令和7年3月13日最終改正)。装置のクラス指定、SBAS補強の有無による分岐、RAIMが5分を超えて失われると予測されたときの3つの選択肢、そして「GPS以外の進入方式が実施可能であること」という条件まで。VFR側の5-006と並べながら、条文に沿って整理します。
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RNAV航行の許可はどう取るのか——5-017の附属書10本と、最終進入でFTE 0.15NMという目標
装置を積んで飛行規程に載せても、それだけではRNAV航行はできません。航空法83条の2に基づく許可の中身を定めているのがサーキュラー5-017。有効期間2年、不具合は3日以内、実施要領には何を書くか。そして種類ごとに「どのACに適合していればよいか」。そして附属書5 RNP APCHの運用手順には、座標の手動入力禁止からFTE 0.15NMまでが具体的に並んでいます。
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TSO-C146とは何か——GPSに「SBAS」を足すと、何ができるようになるのか
GTN 750などが取得しているTSO-C146。GPS単独のTSO-C129と何が違い、Class GammaとDeltaは何を分け、日本ではどこまで使えるのか。SBASの仕組み、LPV進入、そして2022年に日本で始まったLPVまで、根拠資料に沿って通しで整理します。
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VFRでGPSを使う基準——「補助的に使用し」と、貼らなければならない標識
有視界飛行方式でGPSを使う際の基準は、サーキュラー5-006として存在します。全4ページの短い通達ですが、目的の一文に「補助的に使用し」と書かれ、最後の章では「本GPS装置は有視界飛行方式での使用に限る」という標識の貼付を義務づけています。位置算定誤差0.124NM、地上24時間試験、飛行規程の限界事項まで、条文に沿って整理します。
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群馬県防災ヘリ「はるな」の事故報告書を読み直す——空間識失調と、引き返しの判断
2018年8月10日、群馬県防災航空隊のベル412EPが山の斜面に衝突し、搭乗9名全員が亡くなりました。運輸安全委員会の報告書(AA2020-1)は、空間識失調と引き返し判断の遅れを原因とし、国土交通大臣への勧告を出しています。着任後ゼロだった計器飛行訓練、使われなかった自動操縦装置、そして操縦士2名体制。報告書が書いていたことを整理します。
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日航123便から41年——あの事故を契機に、航空は何を変えたのか
1985年8月12日の日本航空123便事故から41年。修理の検証、油圧系統の設計思想、事故調査体制の格上げ、夜間・山岳の救難、そして被害者支援まで。「何が変わったか」を分野ごとに、公表資料に基づいて淡々と整理します。
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PPAPはなぜ20年続いたのか——チェックリストが「形」になるとき
パスワード付きZIPを送り、パスワードを別メールで送る「PPAP」。効果がないと言われながら20年続いた理由を辿ると、航空のチェックリスト形骸化とまったく同じ構造が見えてきます。手順ではなく前提が古くなること、そして「対策済み」という状態が検証を打ち切らせることについて。
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ADS-B Exchangeの使い方——空港コードで飛べば、日本の空もすぐ見える
Flightradar24で見えない機体も映る「ADS-B Exchange」。無料・ログイン不要で使えますが、英語なので敬遠されがちです。空港コードでのジャンプ、機体クリックで出る詳細パネルの読み方、キーボードショートカットまで、実際に操作しながら手順を整理しました。FMS選択高度・IAS・QNH・風まで見えるのが、このサイトの本当の強みです。
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異常接近の基準、日米でこう違う——FAAの「500フィート」と日本の「機長が認めた」
同じ2026年8月4日、羽田とワシントンで異常接近が起きました。日本の重大インシデントは「機長が衝突のおそれがあったと認めた」という主観だけが要件で、数値基準がありません。一方FAAのNMACは「500フィート未満」という数値を持っています。ただし数値が主観を置き換えているわけではない、というのが面白いところです。
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重大インシデントの要件と「異常接近報告」の関係——羽田のニアミスは何に当たるのか
羽田でANA機と国交省の飛行検査機が異常接近しました。ではこれは重大インシデントなのか。実は判断の起点は「機長が衝突・接触のおそれがあったと認めたかどうか」という主観にあります。重大インシデント19事態の全体像と、異常接近報告が制度上どう位置づけられているかを、条文に沿って整理します。
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AW139はなぜ公共安全機関に選ばれるのか——山岳での「ダウンウォッシュと高高度」のバランスを数字で確かめる
米国の警察・消防でAW139の採用が続いています。カタログ性能だけでなく、現場では「山岳の中型機として使いやすい」という評判をよく聞く機体です。降下員へのダウンウォッシュと高高度ホバリング性能の両立を、円板荷重という数字で検証してみると、少し意外な結果が出ました。
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コックピットの「落とし物」が操縦を止める——空自T-4墜落と、飛行前に周りをクリーンにする習慣
入鹿池のT-4墜落事故で、約10kgのサバイバルキットが操縦かんに干渉した可能性が指摘されました。実はヘリでも、iPad・携帯電話・モバイルバッテリーが操縦系統に挟まって墜落・損傷した事例が続いています。固定されていない物がなぜ操縦を止めるのか、飛行前に何を見ればいいのかを現役ヘリパイロットの視点で整理します。
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地上の会議室で同じ罠を踏まないために——隊の運営とCRM
訓練計画、装備選定、シフト編成。コックピットで避けたはずの失敗を、会議室で繰り返していないか。若手の意見をどう扱うかという問題も含めて、連載を組織運営の話に着地させる。CRM連載の最終回。
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ブリーフィングは長さではない——期待値を管理するという仕事
優れたリーダーシップと評価された機長のブリーフィングを観察した Ginnett の研究。彼らのブリーフィングは長くなかった。では何が違ったのか。連載の冒頭で挙げた「参考意見なのか、これで決まるのか」がここに戻ってくる。CRM連載の第4回。
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時間がないときに合議はできない——意思決定を時間軸で使い分ける
DODAR も FORDEC も DECIDE も、なぜ最初のほうに「時間の見積もり」を置いているのか。時間圧下で専門家が実際にやっていること(RPD)と、意見収集を現場の前後に移すという発想を、林野火災・山岳救助の運用に落として整理します。CRM連載の第3回。
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聞くだけ聞いて扱わない——アサーション訓練を無効化するもの
意見を求められたのに反映されなかった人は、そもそも求められなかった人より不満が大きい。組織心理学の「フラストレーション効果」をコックピットのアサーション訓練に当てはめると何が見えるか。2回チャレンジルールが前提にしているもの、そして沈黙にコストが計上されない構造を整理します。CRM連載の第2回。
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CRMは多数決ではない——権威勾配は急すぎても平坦すぎても事故る
意見を集めれば安全になる、という思い込みはどこから来たのか。CRM誕生の経緯と、権威勾配が急な事故(テネリフェ・エアフロリダ90便)と平坦な事故(イースタン401便)の両方を並べて、「意見収集」と「決定」を分けて考える枠組みを整理します。CRMは機長が民主的になるための訓練ではありません。
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陸自ヘリに緑レーザー——「被害がなくても罪になる?」を実際の量刑から考える(北海道・剣淵町)
夜間飛行訓練中の陸上自衛隊UH-1Jに、市街地方向から緑色レーザーが約5秒照射された(北海道剣淵町)。乗員・機体に被害はなかった。では「被害がなければ罪にならない」のか。航空法134条の3・威力業務妨害・航空危険罪の3つを、普天間の実際の判決(罰金50万円)など具体例に当てはめて、現役ヘリパイロットが整理する。
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そもそも、なぜシートベルトを外していいのか——「サイン消灯」と乱気流のあいだ
JAL機が突然の揺れに遭遇し、シートベルトサイン消灯中に客室乗務員が負傷。ではなぜ、サインは消灯するのか。なぜ常時着用ではないのか。晴天乱気流(CAT)の見えなさ、乗務員が最も危険な理由、そして「座っている間はベルトを締める」の意味を、現役パイロットの視点で整理します。
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新千歳の「デジタル安全バリア」——GPSで誤進入を止める試み。ADS-Bと繋いだら何ができるか
新千歳空港で、GPSで作業員・車両の位置を把握し立入禁止エリアへの接近を段階的に警報する「デジタル安全バリア」の試験運用が始まった。国内空港初の取り組みだ。これはADS-Bと連携させれば滑走路の安全確保にどこまで使えるのか。A-SMGCSとの関係、期待できる効果、そして課題を現役パイロットの視点で考える。
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北京・ビル衝突の続報——当局が「所有航空会社」を一時操業停止に。運航者へ矛先が向いた
北京CITICタワーへの小型機衝突事件で、中国航空当局が事故機を所有する航空会社を「重大な安全上の懸念」として一時操業停止処分にした、と香港・明報が報道。「個人的理由」と結論づけた事件で、なぜ運航者が処分されるのか。シリーズの続報として軽く整理します。
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夜、火を消しに飛ぶ——「夜間空中消火」はなぜ難しく、なぜ広がり始めたのか
これまで空からの消火は基本「昼だけ」でした。ところが北米では、暗視ゴーグル(NVG)を使った夜間の空中消火が「特殊能力」から「基本装備」へと広がりつつあります。夜は火勢が弱く風も凪ぐという利点と、視界喪失・地形の怖さという裏側を、Vertical Mag特集をもとに現役ヘリパイロットが読み解きます。
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なぜヘリの「落下物」ばかりニュースになるのか ― 15gの部品と、統計に消える固定翼の部品欠落
函館の海保ヘリの部品脱落を入口に、なぜヘリの落下物が個別にニュース化され、固定翼大手の部品欠落は統計に埋もれるのかを、航空法の報告制度(111条の4・134条/部品欠落報告制度)と報道構造の両面から現場パイロット視点で解説します。
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飛行中のヘリに緑のレーザー——「何の罪になる?」を整理する(三浦市・取材ヘリ照射事件)
火災取材中の報道ヘリに、地上から緑色のレーザーを照射したとして69歳の男が威力業務妨害で逮捕された。ではレーザー照射は何の罪に問われるのか。実は威力業務妨害・航空法違反・航空危険行為処罰法という3つの法律が重なりうる。パイロットにとってなぜこれほど危険なのかも含め、現役ヘリパイロットが整理する。